【分析項目解説!】化学的酸素要求量(COD)についてご説明!
海水浴場の水質ランクというニュースをご覧になったことはありますか?
このランクは、環境省がふん便性大腸菌、油膜の有無、透明度、そしてCODについて調査をし、その結果から「AA」や「A」などランク付けを行うといったものです。
CODとはなにか?
上回ると何が良くないのか?
など、水質に詳しくない方にとっては分かりにくいと思います。
そこで今回は、COD分析について詳しくご紹介したいと思います!
CODについて
CODとは、Chemical Oxygen Demandの略で、日本語で化学的酸素要求量といい、BODと同様に水中に含まれる有機物による汚濁を測る指標として用いられています。
※BODについてはこちらのブログを参考にしてください
COD測定の仕組み
CODは、有機物を酸化剤によって強制的に酸化分解し、分解する際に有機物と反応して消費される酸化剤の量を酸素の量に換算した値となります。
水中の有機物が多いほど分解に必要な酸化剤の消費量が多くなり、CODの値が高くなります。
したがって、CODの測定値から、水中の有機物量の目安が算出できます。
ではなぜBODとCODの2つの分析方法があるのでしょうか
その理由として、BODの測定方法では下記の試料の場合正確な測定が出来ないからです。
1.微生物によって分解されにくい有機物が大量に含まれている場合
2.毒物による汚染を伴う場合
毒物によって微生物が死んでしまうため、微生物を利用するBOD分析では正確な測定ができません。
3.湖沼のように水が滞留している場合
光合成により、溶存酸素の消費・生成を同時に行う藻類が大量に発生しているためBODの測定値が不明瞭となってしまうと言われています。
上記の様な水の場合、BODではなくCODを有機物量の指標として利用した方が良いです。
次に、CODに関する水質基準についてご説明します。
CODに関する水質基準について
水質汚濁防止法にはCODの排水基準が定められています。
この基準が適用されるのは海域、湖沼に排水を流している特定事業場になります。
※特定事業所は種類が多いため、参考に愛知県の水質汚濁防止法のあらましのリンクを貼ります。資料中の表1に特定施設の記載があります。
ただし、愛知、岐阜、三重の伊勢湾の水が流入する地域については、水質総量削減制度の指定地域になっているため、排水基準に加えて総量規制基準が適用されます。
総量規制基準は海域、湖沼以外の公共用水域に流す排水にも適用されます。
※水質汚濁防止法、総量規制基準についてはそれぞれのブログを参考にしてください
排水基準、総量規制基準いずれも1日の排水量が50m3以上の特定事業場が対象になりますが、条例によって、これよりも小規模の事業場に対しても水質基準が定められている場合があります。
次にCODの調べ方についてご説明します。
CODの調べ方
CODの測定方法は、試料に酸化剤を加え、一定条件で反応させ、そのとき消費した酸化剤の量を酸素の量に換算し、CODの値を算出します。
CODはBODと比べて短時間で分析ができるため、有機汚濁の状況を早く知ることができます。
最後に
今回のブログでは、COD分析についてご紹介しました。
当社では工場排水、浄化槽排水、下水など幅広い分析を行っています。
CODについてご相談などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。