【分析機器解説!】pH計やpHの測定方法についてご紹介!
以前のブログでは、pH(水素イオン濃度)についてご紹介しました。
実際、pHの測定はどのように行っているかご紹介したいと思います。
※pH(水素イオン濃度)についてはこちらのブログをご参考にしてください
pHの測定といえば、小学生のころに行ったリトマス試験紙での実験を思い出されるのではないでしょうか?
実は、この方法以外にもpHを測る方法は沢山あります。
熱帯魚の飼育をしている方なら、pH試験紙やpH測定器などを使用されている方もいるかと思います。
そこで今回は、pHの測定方法について簡単にご紹介したいと思います!
測定方法の種類
pHの測定方法は大きく分けると次の3つの方法になります。
1.指示薬による方法
試験管などに水をとり、pHによって色の変わる薬品を加えて、水の色と色見本を比較してpHの値を求めます。
指示薬はいろいろな種類があり、それぞれ色が変わるpHの範囲が違います。
指示薬によるpH測定の例
2.試験紙による方法
1の指示薬を紙にしみこませて乾燥させたもので、検体に浸して試験紙の色と色見本を比較してpHの値を求めます。
こちらも指示薬同様、いろいろな種類があり、それぞれ色が変わるpHの範囲が違います。
pH試験紙の例
指示薬による方法と試験紙による方法は簡単にpHを測定できますが、pHの値はアバウトなものになります。
例として、水質汚濁防止法のpHの排水基準は、河川に排出する場合には5.8~8.6ですが、指示薬や試験紙では、ここまで細かい数値を出すことができないため、pH計などの測定器が必要になります。
※水質汚濁防止法についてはこちらのブログをご参考にしてください
3.pH計による方法
pHの異なる水は電気的な性質も異なり、このことを利用して機器で、pHの値を求める方法もあります。
pHを求める方法として、いくつか方式がありますが、このpH計を用いる方法は「ガラス電極法」と呼ばれ、唯一環境測定の正式な測定法として定められています。
pH計は測定値がデジタル表示されるので、0.1~0.01の桁まではっきりとした値を出すことができます。
この数値が小さいと酸性、大きいとアルカリ性ということになります。
pH計の例
ただし、使用方法に気を付けなければいけないことがいくつかあります。
使用時に気を付けないといけないこと
・使用にあたっては標準液(pHを一定に調整した液)でpH計の校正(目盛付け)が必要
・水温によって感度が変わるため、補正が必要(自動で補正してくれるものもあります)
・電極の内部には薬品を使用しているため、補充が必要
・電極には寿命があるため、寿命が来たら買い替えが必要
また、当社のような計量証明事業所は、定期的にpH計の検定(正しく測定ができるかどうかの検査)を受ける義務があり、それに合格したものを使用しています。
最後に
今回のブログでは、pHの測定方法についてご紹介しました。
当社では工場排水、浄化槽排水、下水など幅広い分析を行っています。
pHについてご相談などありましたら、お気軽にお問い合せください!