【分析項目解説!】SS(浮遊物質量)についてご説明!
SSという言葉をご存じでしょうか?
SSというのは、pHやBODとともに工場排水などの水質管理の基本的な項目として、測定されることが多い項目のひとつです。
しかし、分析に詳しくない方にとっては分かりにくいことも多いと思います。
そこで今回は、SSについてご紹介していきたいと思います!
SSについて
SSとは、「suspended solids」の略で、日本語では「浮遊物質量」と言います。
水の中に含まれる不溶解性物質を指します。
簡単に言うと水の濁り具合を測る項目です。
SSの成分
- 粘土鉱物などの微粒子
- 動植物プランクトンの死骸
- 下水や工場排水に含まれる有機物や金属の粒子
があります。
SSの影響
河川などでSSが高い状態になると、
- 魚類のエラがふさがれ窒息死する
- 太陽光線を遮り、藻類の光合成を阻害する
- SSが沈降し、底生生物を埋没、死滅させる
- 有機性物質のSSが堆積すると腐敗して悪臭が発生する
- 農作物に被害を及ぼす
などの影響が現れます。
そのため、SSには水質基準が定められています。
SSの水質基準について
SSは環境基本法の環境基準、水質汚濁防止法、下水道法の排水基準が定められています。
※「環境基本法の環境基準、水質汚濁防止法」、「下水道法の排水基準」について、各リンク先のブログをご参考ください
これらの法律では、SSは網目2mmのふるいを通過し、孔径1μmのガラス繊維ろ紙上に残留する物質と定義されています。
また、環境基準では水域の利用目的に応じてSSの濃度基準が定められています。
例えば湖沼のSSの環境基準の場合、下記の表のようになります。
これらの基準値から、SSの数値と水の濁り具合の関係がイメージできると思います。
ちなみに、水質汚濁防止法の一律排水基準は、最大200mg/L以下、日間平均150mg/L以下となっています。
次に、SSの分析方法についてご説明します。
SSの分析方法について
SSを分析する時には、ガラス繊維ろ紙を使います。
ガラス繊維ろ紙
使用するろ紙をあらかじめ重量を測定しておきます。
次に、ろ過装置にガラス繊維ろ紙と測定する検体を設置して、検体をろ過していきます。
ろ過装置
すると、検体からろ過されたSS分がろ紙の上に残ります。
このろ紙を105~110℃で乾燥させ、重量を測定していきます。
ろ過前後のろ紙の重量差がSS分の重量になり、SS分の重量を検水量で割るとSS(mg/L)を算出することができます。
最後に
今回のブログでは、SSについてご紹介しました!
当社では工場排水、浄化槽排水、下水など幅広い分析を行っています。
SSについてご相談などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。