【分析項目解説!】水質汚濁防止法のVOCとは?対象物質と規制の概要についてご紹介!
水質、土壌、廃棄物に関する有害物質の中に、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)というものがあります。
VOCには腎臓、肝臓障害や発がんのおそれがあり、排出基準などが定められています。
そこで今回は、水質汚濁防止法で指定されている有害物質としてのVOCとはどのようなものかご紹介したいと思います!
※大気汚染防止法により定められているVOCについてはこちらのブログを参考にしてください
VOCについて
VOCとは、揮発性が高く、常温で空気中に気体となって拡散する有機化合物の総称です。
身近なものではシンナー、アルコールなどがあります。
VOCの中で、塩素系有機溶剤、ベンゼン、クロロエチレン(塩化ビニルモノマー)が水質汚濁防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、土壌汚染対策法の有害物質に指定されています。(以下「有害VOC」と表します)
これらの物質は、金属洗浄や化学物質の製造工程などから発生します。
飲料水の水質基準、環境基準、排水基準などが定められています。
有害VOCの種類、有害性について
下の表は、有害VOCとして指定されている物質です。
有害性としては、共通して腎臓や肝臓障害、遺伝毒性などが挙げられます。
有害VOC規制の概要について
水質の場合
水質に関しては、飲料水や農業用水、水産用水などの安全確保が目的となります。
そのためにこれらの水源となる公共用水域の汚染状態の基準として、環境基準があり、それを達成するために排水基準があります。
※排水基準とは、物質ごとに定められた排出水の汚染状態の許容限度のことを言います。
水質汚濁防止法の有害物質の排水基準は、排水量に関係なくそれらの物質を使用する特定事業場すべてに対して適用されます。
また、有害物質を含んだ汚水などの地下浸透は禁止されています。
下水道に排水する場合でも、有害物質は浄化処理に支障をきたすため、水質基準が定められています。
土壌の場合
土壌に関しては、有害物質使用施設を廃止したときなどには土壌汚染の調査を行う必要があります。
有害物質に汚染され健康被害が生じるおそれがあると認められた場合には、汚染を除去する必要が生じます。
産業廃棄物の場合
産業廃棄物に関しては、有害VOCを判定基準以上含んだ廃棄物は特別管理産業廃棄物となり、特別管理産業廃棄物管理責任者の選任など、通常の産業廃棄物とは異なる取り扱いが必要となります。
最後に
今回のブログでは、水質汚濁防止法によるVOCとはどのようなものかご紹介しました!
当社では水質、土壌、廃棄物などのVOCの測定を行っています。
塩素系溶剤、ベンゼン、クロロエチレンを使用されている事業者の方で、ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください!