【悪臭分析】臭気判定士と臭気指数、測定方法について
悪臭による生活環境の被害の防止を目的として、悪臭防止法が定められています。
悪臭防止法に関する業務・試験を行うにあたっては、臭気判定士という資格が必要になる場合があります。
そこで今回は、臭気判定士と臭気指数の解説、基準についてご紹介したいと思います。
悪臭防止法の概要について
悪臭防止法は工場、事業場から発生する悪臭を規制することにより、国民の生活環境、健康を守ることを目的としています。
工場、事業場の敷地境界線、排出口、排出水における悪臭物質の濃度、臭気指数の基準が定められ、事業者はこれを遵守しなければなりません。
※悪臭防止法については詳しく説明したブログがありますので、そちらを参考にしてください
例:小牧市の基準
悪臭防止法による悪臭の規制手法として、当社の分析センターがある小牧市では、物質濃度規制による悪臭規制があります。
悪臭防止法による規制のほか、小牧市では、市独自に臭気指数指導基準値を定め、臭気指数による指導等も行っています。
小牧市臭気指数指導基準
臭気指数について
臭気指数とは、臭気を発生する空気や水を、人がにおいを感じなくなるまで希釈したときの希釈倍数から計算される数値です。
臭気指数は嗅覚試験法によって試験が行われます。
嗅覚試験法とは、人間の嗅覚によって臭気の強さを判定する方法です。
そして、行政から委託を受けて嗅覚試験を行うためには、臭気測定業務従事者(臭気判定士の資格を持つ人)が必要となります。
臭気判定士の概要について
臭気判定士は、嗅覚試験が的確かつ公正に行われるために、人間の嗅覚、統計学、測定法全般、人間の心理、臭気対策行政などに関する幅広い知識を持ち、自らも正常な嗅覚を持つ者として、臭気判定士試験及び嗅覚検査に合格した人に与えられる国家資格です。
臭気判定士試験は上記の知識を問うもので、18歳以上であれば誰でも受験することができます。
嗅覚検査は、5種類の基準臭をかぎ分けることができるかを検査します。
5種類の基準臭
- β-フェニルエチルアルコール(バラのような花のにおい)
- メチルシクロペンテノロン(プリンのカラメルのような甘い焦げ臭)
- イソ吉草酸(蒸れた靴下のにおい)
- γ-ウンデカラクトン(モモのような熟した果実臭)
- スカトール(かび臭いにおい、糞臭)
臭気判定士の資格は5年の期限があり、更新にあたっては再度嗅覚検査を受ける必要があります。
臭気判定士の資格を持つ人が臭気測定業務従事者として嗅覚試験の管理を行います。
嗅覚試験の内容は、試料の採取、パネル(嗅覚試験に参加する人)の選定、試料の調整と判定試験の実施、結果のまとめなどがあります。
臭気判定の実際の様子
引用:環境省「悪臭防止法に定める臭気指数制度導入のすすめ」
臭気判定士に関する詳細は、におい・かおり環境協会の「臭気判定士」をご覧ください。
最後に
今回のブログでは、臭気判定士と臭気指数の解説、基準についてご紹介しました。
当社では、嗅覚試験を承っております。
ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。