【溶接ヒューム測定】フィットテストの方法が日本産業規格(JIS)T8150により公示されました!
「溶接ヒューム」が神経障害等の健康被害を及ぼすおそれがあることが明らかになったため、特定化学物質障害予防規則の特定化学物質として令和3年(2021年)4月1日より規制対象となりました。
規制対象となったことで、溶接ヒュームの濃度測定結果に基づいて呼吸用保護具(マスク)を選択・使用し、1年に1回フィットテストを行わなければなりません。
そこで今回は、定期的に行わなければならないフィットテストと、その方法についてご紹介したいと思います。
フィットテストについて
フィットテストとは、金属アーク溶接等作業で発生する溶接ヒュームへのばく露による労働者の健康障害防止のため、呼吸用保護具が適切に装着されていることを確認することです。
実際に使用するマスクやフィットテスト用の面体を使用して漏れがないことを確認します。
フィットテストの方法は日本産業規格(JIS)T8150で定められ、この規格の改正が令和3年(2021年)5月25日付けで公示されました。
実施者について
フィットテストの実施者は、フィットファクタ(呼吸用保護具の面体と労働者の顔面との密着を示す係数)の精度等を確保するため、十分な知識及び経験を有する者が実施すべきとされています。
そのため、フィットテスト実施者に対する教育実施要領が厚生労働省から出されており、この教育カリキュラムを受け、十分な知識及び技能を有するフィットテスト実施者の養成が行われます。
実際の実施者は事業場内の方が行っても、委託を受けた外部機関が行ってもどちらでもよいとされています。
フィットテスト実施方法について
フィットテストの実施方法は、「定性的フィットテスト」と「定量的フィットテスト」の2種類あります。
定性的フィットテストとは
定性的フィットテストとは、味覚による試験で、被験者はフィットテスト用フードを被り、その中に甘味成分、または苦味成分の溶液を噴霧し、マスクをした状態で味がするかどうかの確認をします。
このテストは、要求フィットファクタ100の半面形面体を有するマスクに対して行うことができます。
実際の定性的フィットテストの様子
引用:興研株式会社「どうする?新たな溶接ヒューム対策」
定量的フィットテストとは
定量的フィットテストとは、大気じんや塩化ナトリウムを用いて行う試験で、マスクの外側と内側のエアロゾル濃度を測定して行う試験で、マスクの外側と内側の濃度値からフィットファクタを求めるものになります。
このテストは、要求フィットファクタ100の半面形面体を有するマスク、500の全面形面体を有するマスクの両方に対して行うことができます。
両試験ともマスクをそのままつけるだけではなく、深呼吸や頭を上下左右に動かす、発声するなど、定められた各動作を行い試験を行います。
実際の定量的フィットテストの様子
また、フィットテストは金属アーク溶接作業を行っている全員が対象となっており、測定を1年に1回行い、その結果を事業場で作業を行わなくなってから3年間保存する必要があります。
以上が、フィットテストの大まかな流れになります。
最後に
今回のブログでは、定期的に行わなければならないフィットテストについてご紹介しました。
フィットテストの実施に関してはJISの改正が遅れたため、他の改正特化則の事項よりも開始時期が遅く、令和5年(2023年)4月1日施行となっています。
私も実際にフィットテストをしましたが、どのマスクでも合格できるわけではありませんでした。
自分の顔の形に合ったマスクを選定し、使用することが重要です。
測定に関するご相談、質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください!