【分析項目解説!】硬度について
水質試験の項目のひとつに「硬度」があります。
「硬度」はボイラー水や冷却水の水質管理項目として測定され、ミネラルウォーターにも表示されています。
そこで今回は、硬度の解説と硬度が違うとどのような影響があるのかご紹介したいと思います。
硬度について
硬度とは水に含まれるカルシウム分とマグネシウム分の指標で、炭酸カルシウムの濃度(CaCO3mg/L)として表されます。
硬度が低い水を軟水、高い水を硬水と言います。
WHO飲料水質ガイドラインでは
- 炭酸カルシウムの含有量が60CaCO3mg/L以下の水を軟水
- 60~120CaCO3mg/Lの水を中硬水
- 120~180CaCO3mg/Lの水を硬水
- 180CaCO3mg/L以上の水を超硬水
としています。
水の硬度成分は地層から溶け込んだものなので、地質と滞留時間によって変化します。
石灰岩の地層をゆっくり流れる水は硬度が高くなります。
市販のミネラルウォーターであるエビアンは硬度約300CaCO3mg/L、コントレックスは約1500CaCO3mg/Lです。
硬度の影響について
硬度は水の味に影響します。
軟水は味に癖がありませんが、硬水は独特の風味があり、料理の味にも影響があります。
この観点から水道法では10~100CaCO3mg/Lが水質管理目標として定められています。
洗濯に石けんを使用する場合には硬度成分が石けんと結合して洗浄効果を低下させます。
この観点から水道法では水質基準が300CaCO3mg/L以下と定められています。
ボイラー水や冷却水などでは硬度が高いとスケール発生の原因となり、逆に低すぎると腐食の原因となります。
硬度の測定方法について
水道法ではフレーム-原子吸光光度法、ICP 発光分析法、ICP 質量分析法、イオンクロマトグラフ法、滴定法が定められています。このほか簡易な測定キットも市販されています。
※イオンクロマトグラフについてはこちらのブログを参考にしてください
最後に
今回のブログでは、硬度の解説と硬度が違うとどのような影響があるのかご紹介しました。
当社では硬度をはじめとした各種水質管理項目、ミネラルウォーターの成分などの分析を承っております。
ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。