【ダイオキシン】ダイオキシン類に関する対策と発生抑制のためにできること
ダイオキシンは有害なものとして広く認識され、その毒性については「青酸カリよりも毒性が強く、天然の毒を除いては最も強い毒性を持つ物質である」とも言われることがあります。
前回は、ダイオキシンとその毒性についてご紹介しましたが、今回は、ダイオキシン類はどのような対策が行われてきているのか、また発生を抑制するためにできることについてご紹介したいと思います。
ダイオキシン類対策について
ダイオキシン類の多くは、ごみや産業廃棄物を焼却するときに出ると推定されています。
そこで、平成9年12月から、大気汚染防止法や廃棄物処理法によって、焼却施設などから排出されるダイオキシン類の規制やごみ焼却施設の改善等の対策が進められてきました。
平成11年3月には「ダイオキシン対策推進基本方針」が策定され、平成11年7月には「ダイオキシン類対策特別措置法」が成立しました。
この法律は、ダイオキシン類による環境の汚染の防止及びその除去などをするため、ダイオキシン類に関する施策の基本となる基準を定めるとともに、必要な規制、汚染土壌に対する対策を定めています。
※参考:環境省 水・大気環境局総務課ダイオキシン対策室「ダイオキシン類」
この法律に基づく対策の推進の結果、ダイオキシン類の排出量は着実に減少し、大気や水質のダイオキシン類濃度は、ほぼ全国的に環境基準を達成し、人の平均的な蓄積量も基準値を下回るなど、ダイオキシン類汚染の改善が進んでいます。
2020年度ダイオキシン類に係る環境調査結果
※引用:環境省「環境白書 第5章 包括的な化学物質対策に関する取組 」P232
食品からのダイオキシン類の一日摂取量の経年変化
※引用:環境省「環境白書 第5章 包括的な化学物質対策に関する取組 」P233
ダイオキシン類の発生抑制
ダイオキシン類は、ものを燃焼する過程などで発生するので、ごみの量を減らすことが、ダイオキシン類の発生量を抑制する上でも効果的です。
このため、循環型社会形成推進基本法を始め、容器包装リサイクル法などが施行されています。
これらの法律では、まず、何よりごみを出さないこと、出たごみはできるだけ資源として利用すること、資源としてどうしても使えないごみは、ダイオキシン類などが出ないようにきちんと処分することとしています。
今後は、私たち一人一人が、ダイオキシン類の問題に関心を持って、ものを大切に長く使ったり、使い捨て製品を使わないよう心がけ、ごみを減らし、再利用やごみの分別・リサイクルに協力することがとても重要です。
最後に
今回のブログでは、ダイオキシン類はどのような対策が行われてきているのか、また発生を抑制するためにできることについてご紹介しました。
他のブログにて、ダイオキシンとはなにか、またその毒性についてまとめています。
気になる方はぜひ「【ダイオキシン】ダイオキシンとは何か、ダイオキシン類の毒性について(あとでリンク貼る)」もご参考ください!