【リスクアセスメント】化学物質のリスクと管理について
2016年6月に労働災害を防止するため、リスクアセスメントが義務化されています。
事業場で使用している化学物質のリスクアセスメントは、みなさん行っているでしょうか?
当社は、作業環境測定機関として有機溶剤や特定化学物質などの法律で定められた物質の測定依頼や濃度低減等のご相談をいただくケースがあります。
作業環境測定のように、作業場の濃度測定義務があるものは危険性・有害性がある物質の中でも極一部であり、作業者の健康被害をなくすためにもリスクアセスメントを行うことは重要です。
そこで今回は、化学物質のリスクとその管理についてご紹介したいと思います!
労働災害の発生状況
化学物質による休業4日以上の労働災害のうち、特別規則対象物質(有機則や特化則等)による災害は約2割程度で、大半の災害は「規制対象外物質」により起こっています。(平成30年発生件数)
規則の対象物質については、危険性・有害性を把握して作業主任者などを選任し、しっかり管理されている所が多いです。
しかし規制対象外の物質に対しては、有害性を確認せずに使用してしまうケースも多いと思います。
当社のお客様の中でも、有機溶剤を使用して製品の洗浄を行っている工程で、害がないと考えて規制対象外の代替品に切り替えをした事業場がありましたが、代替品のSDS(安全データシート)を見たら有害性があるものだったことがありました。
このように法規制対象外の成分なだけで、害があるものとは知らずに使用してしまっているケースは多々あるかと思います。
被害を出さないための管理について
コロナ渦になり消毒の際、使用する機会が増えたエタノールにも危険有害性があります。
エタノールのSDSを見るとGHS絵表示で、下記のような表記があります。
エタノールのSDS
- 引火性
- 眼刺激性
- 生殖能への悪影響のおそれ
などがあることを示しています。
管理濃度などの規制はない物質ですが、無害というわけではなく過剰にばく露してしまうと健康被害が出る恐れがあります。
健康被害を出さないためには、使用している物質のリスクを把握し、正しい使用方法や保護具、設備を設けることが重要です。
令和4年2月24日に労働安安全衛生法の改正政令が公布されましたが、今後リスクアセスメントの対象となる物質はかなり増えることが予想されます。
現在リスクアセスメントをやっていない事業者の方は、規制強化される前に一度確認されてみてはどうでしょうか?
最後に
今回のブログでは、化学物質のリスクと管理についてご紹介しました。
当社では、作業環境測定対象物質以外の測定も対応できます。
ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。