【悪臭分析】悪臭の官能試験についてご説明!
夏場(6~8月)は特ににおいが気になってくる季節ですよね。
うちの工場のにおいは法律を守れているのか?
などにおいについて、心配なことがあるかと思います。
そこで今回は、悪臭の分析方法の1つである官能試験について詳しくご紹介していきます。
悪臭について
悪臭とは人が感じる「嫌なにおい」、「不快なにおい」を指します。
「におい」は個人差があり、好み、慣れによって感じ方が異なります。
そのため、同じ「におい」でも、ある人には「いいにおい」と感じられても、他の人には悪臭と感じられることがあります。
また、一般的に「いいにおい」とされている「におい」でも、強さ、頻度、時間などによっては悪臭と感じられることがあります。
その逆のパターンもあり、例えば香水には「不快なにおい」とされているにおいが含まれている場合があり、他のにおいと混ぜることで「いいにおい」を作り出しています。
しかし、個人の感覚で良い、悪いが決められる「におい」ですが、悪臭防止法という法律でにおいの強さについて基準を定めています。
悪臭防止法について
悪臭防止法とは、工場などの事業場から出る悪臭を規制し、生活環境と国民の健康を守ることを目的とした法律になります。
悪臭の規制は、規制地域として指定された地域で行われます。
また、規制地域は各都道府県の知事または、市長によって定められています。
その規制地域内に設置されるすべての事業場が規制の対象となり、規制基準が定められています。
規制基準とは
悪臭の規制基準には
- 事業場のある敷地と隣の敷地との境界線での空気の基準(1号基準)
- 煙突の出口など気体排出口での空気の基準(2号基準)
- 排水の排出口の排出水の基準(3号基準)
の3種類の基準があります。
※愛知県環境局:「悪臭規制のあらまし」より引用
事業場のある敷地と隣の敷地との境界線での空気の基準(1号基準)
1号基準とは、その場所の空気を、基準値と比較し、基準値以下になっているかを判定するための基準です。
煙突の出口など気体排出口の基準(2号基準)
2号基準とは、煙突の高さや排出ガス量などのデータから悪臭の広がり方をシミュレーションして、地面に臭気が到達するときに1号基準以下になるように計算される煙突の出口などの空気に課せられる基準です。
煙突などから排気ガスを排気している場合、煙突から出たガスは徐々に薄まって広がり、地面に落ちてきます。
煙突など気体排出口からの排気ガスの悪臭は、地面に落ちてきたときに1号基準以下になっていなければなりません。
排水の排出口での排出水の基準(3号基準)
3号基準とは、その場所の水の悪臭を、基準値と比較し、基準値以下になっているかを判定するための基準です。
次に官能試験についてご説明します。
官能試験について
官能試験とは、現場にて採取した空気を、パネラーと呼ばれる試験官がにおいをかぎ、においが感じられなくなるまで空気を薄め、臭気指数(においを人間の感覚に対応した値で表したもの)を求める試験になります。
人がにおいを感じるかどうかで判断されるため、物質の種類に関係なく、複雑なにおいや濃度規制(悪臭成分として定められている物質の濃度)に含まれていない物質のにおいにも対応でき、悪臭に対する不快感が一致しやすいです。
しかし、においの成分までは確定することはできません。
※経験や事業場で使用されている物質の情報などから、特定できる場合もあります
また、人の嗅覚に頼った試験方法であるため、嗅覚の個人差や体調によって結果が左右される可能性がありますが、現在多くの地域で採用されている試験方法(臭気指数基準)であります。
最後に
今回のブログでは、悪臭の分析方法の1つである官能試験についてご紹介しました。
悪臭分析についてご相談などがありましたら、お気軽にお問い合わせください!