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2022.02.16(水)

【公衆浴場・旅館の事業者】浴槽水の水質検査と水質基準について

浴槽水分析

公衆浴場及び旅館などの風呂で使用する水については衛生管理の指針があり、指針にもとづいた管理をする必要があります。

管理内容として、水質検査項目、基準、検査頻度が定められています。

そこで今回は、浴槽水検査とその基準、頻度についてご紹介をしていきます!

なぜ浴槽水検査を行う必要があるのか

人が浴槽に入ると、皮脂やアカなどの有機物が水の中に溶け出てきます。

大勢の人が使用する公衆浴場などの浴槽水はろ過器などで浄化して、お湯を再利用していますので、ろ過器の中は、有機物をエサにするレジオネラ属菌などの微生物が繁殖しやすい環境になっています。

レジオネラ属菌などの微生物を繁殖させないためにも、これら設備の衛生管理を十分に行い、細菌汚染がないか水質検査を行うことが必要となります。

次に公衆浴場で使用する水と浴槽水の水質基準についてご説明します。

公衆浴場で使用する水の水質基準について

公衆浴場で使用する水の水質基準については、厚生労働省から「公衆浴場における水質基準等に関する指針」が出されており、指針にもとづいて、各地方自治体が条例を定め、管理者などに指導を行っています。

  1. 原湯(浴槽に直接入れる温水)
  2. 原水(浴槽に直接入れる水)
  3. 上がり用湯(湯栓から出る温水)
  4. 上がり用水(水栓から出る水)

上記の4つが色度、濁度、pH、有機物(過マンガン酸カリウム消費量)、大腸菌類、レジオネラ属菌の検査を1年に1回以上行い、検査結果は検査の日から3年間保管することとされています。

浴槽水の水質基準について

こちらについても同上で、厚生労働省から「公衆浴場における水質基準等に関する指針」が出されており、指針にもとづいて、各地方自治体が条例を定め、管理者などに指導を行っています。

  1. ろ過器を使用していない浴槽水及び毎日完全に換水している場合…1年に1回以上
  2. 連日使用している場合…1年に2回以上(ただし、消毒が塩素消毒でない場合は1年に4回以上)

上記の2つが濁度、有機物(過マンガン酸カリウム消費量)、大腸菌群、レジオネラ属菌の検査を行い、検査結果は検査の日から3年間保管することとされています。

次に浴槽で起こる病気についてご説明します。

浴槽で起こる病気について

浴槽で起こる主な病気として、レジオネラ症と言われるレジオネラ属菌による細菌感染症があります。

レジオネラ症とは

レジオネラ属菌は自然界に広く存在している菌で、人がレジオネラ属菌に感染すると、レジオネラ症を発症し、肺炎などを起こします。

症状が重症の場合は死亡するケースもある、恐ろしい病気になります。

温度が36℃前後の状態で最も菌が増殖するため、循環式浴槽、シャワー、冷却塔、加湿器などの温水や水が循環、停滞する設備で繁殖しやすくなっています。

人への感染経路はレジオネラ属菌を含むエアロゾル(空気中に微小な液体の粒子が拡散している状態)などを吸入することによる経気道感染で、人から人への感染はありません。

ジャグジーや打たせ湯はエアロゾルを発生させるため、レジオネラ属菌感染の原因になりやすくなっています。

※レジオネラ症についてはこちらのブログで詳しくご紹介しています

このような病気を引き起こさないためにも、衛生管理をしっかり行う必要があります。

最後に

今回のブログでは、浴槽水検査とその基準、頻度についてご紹介しました!

浴槽水検査の水質基準についてご相談などがありましたら、ぜひお気軽にお問い合せください!

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