水質分析(飲料水・井戸水・プール)
2024.07.09(火)

【直飲みは危険?】麦茶の細菌実験から学ぶ安全な飲み方

直のみは危険  麦茶の細菌増殖実験から学ぶ安全な飲み方 - コピー
食中毒が心配な季節になってきました。
そこで今回は、ペットボトルに直接口をつけた麦茶はどのくらい細菌が増殖するのか実験してみました!

実験の背景と目的

麦茶は、特に夏場に人気のある飲料ですが、飲み方や保存方法によっては細菌が増殖するリスクがあります。本実験では、普段仕事中に飲み、家で保管するという状況を踏まえて条件設定をしました。その条件下で、麦茶に口をつけた後の一般細菌の増殖を観察し、適切な保存方法について考察します。

実験方法

1. 麦茶の準備

  • 麦茶パックを使用して麦茶を煮出し、室温まで冷却後ペットボトルに入れた。
  • 実験前の一般細菌数は5,000個/mLであった。

2. 実験手順

  •  以下の場所でペットボトルに入れた麦茶を1時間ごとに直飲みし、8時間までそれを繰り返した。
  • 冷房中の事務所
  • 暑い車中
  • 8時間後に以下の2つの保存方法を実施した。
  • 冷蔵庫で保管
  • 室温で放置
①口付けた茶 常温1-1 -hhhhhhhhh コピー

3.測定

  • 一般細菌数を8時間後と24時間後に測定した。

結果

結果 文字無し
結果グラフ

考察

今回は市販のペットボトル飲料ではなく、麦茶パックを煮出してペットボトルに入れたため、初期の細菌数が5,000個/mLとなりました。殺菌してあるペットボトル飲料より多いですが、どの条件下でもスタートは同じ菌数です。
麦茶に口をつけた後の一般細菌の増殖はどの条件でも時間とともに増加することが分かります。8時間後から室温での放置では、冷蔵庫保存に比べて細菌が増殖することが確認されました。日中暑い車内で口をつけた場合、8時間後から室温に放置すると細菌数がけた違いに増加しています。このように置かれた環境によって急激な変化が起こる場合もあるので注意が必要です。
以下のポイントに注意することで、細菌の増殖を防ぐことができます。

1. 冷蔵保存

  • 冷蔵庫に入れることで、細菌の増殖を抑えることができますが、飲み残したものはできるだけ早く処分した方が安全です。

2. 高温環境下は避ける

  • やむを得ず高温下で飲むときは、クーラーボックス等で冷やすことが重要です。車内に放置することは避けましょう。

結論

麦茶は大麦を原料としているため、炭水化物が多く細菌の繁殖には適した環境と言えます。一般に、菌が10万~100万個/mL検出されると衛生的であるとは言い難く、車中で直飲みし、冷蔵庫に入れずに放置した飲み残しは飲まない方が賢明です。安全に麦茶を楽しむために、以下の対策を心がけましょう。
  • 直飲みした場合、飲み残しは処分する。
  • 可能であれば直飲みせず別の容器を利用する。
  • 保冷バックを利用する。

細菌検査はぜひ尾北環境分析まで

今回は、ペットボトルに直接口をつけた麦茶はどのくらい細菌が増殖するのか実験を行いました。
このような実験を通じて、食品の安全性や衛生管理の重要性を改めて感じました。
当社では、食品や飲料の細菌検査を承っておりますので、気になる方はぜひご相談ください。また、細菌に関する実験のリクエストがあればぜひご連絡ください。
尾北環境分析 OFFICIAL SNS