【コラム】都市域で形成される「ヒートアイランド」とは?
都市域で形成される「ヒートアイランド」は、都市の気温が周辺の郊外に比べて高くなる現象で、風のあまり強くない日に発生しやすい現象です。
気温を分布図で表したときに、都市部を中心として高温域が島のような形になることから、「ヒートアイランド」と呼ばれています。
この現象は、秋・春の移動性高気圧に覆われた日などに現れます。
また、夏型の気圧配置においても、高気圧に広く覆われて風の弱い日にも現れます。
このヒートアイランド現象が起こる要因は、ビルやアスファルトなどによる地表面の被覆化や工場やビル・家屋等のエアコンなどの人工的な排熱の増加などが原因とされ、都市域での特徴的な気象現象として注目されてきました。
また、最近では夏季における熱中症などの健康被害や、ヒートアイランドによって発生する上昇気流が原因で起こる狭いエリアでの局地豪雨の増加、さらに生態系への影響などが都市域に起こる環境問題として注目を浴びています。
今回は、このヒートアイランド現象が形成される要因に関して、まとめてみましたのでご紹介していきたいと思います。
ヒートアイランド現象が形成される要因
ヒートアイランド現象が形成される要因として、「地表面の人工化」と「人工排熱の増加」の2つとされています。
1.地表面の人工化
地表面の人工化とは、アスファルトなどによる舗装や、建築物などの人工物で覆われることで、緑地や裸地から気温を上昇させない水蒸気として逃がしていた熱量分が減少し、気温上昇を引き起こすことになります。
また、コンクリートなど熱吸収量の多い建造物の増加なども気温上昇の原因となっています。
2.人工排熱の増加
人工排熱の増加も、ヒートアイランド現象を引き起こす原因です。
多くの人々が都市で生活するには膨大なエネルギーが必要です。
都市生活には欠くことができない空調や照明、自動車、工場の製造機械などいずれもエネルギーをたくさん消費するだけではなく、大量の排熱を発生させます。
こうした人工排熱が気温上昇の原因となっています。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回は、ヒートアイランド現象が形成される要因に関してご紹介しました。
このようなヒートアイランドが都市部に形成されるのも、風の穏やかな秋や春の移動性高気圧に覆われた気圧配置の典型的な気象現象ですが、都市の位置(海岸部、平野部、あるいは盆地部など)によって夏季の気温上昇が著しくなり、最近の地球温暖化とともに気温上昇の環境問題として注目されています。
わたしたちが今後も生活していくためにも、環境問題については理解していきたいですね。