【コラム】なぜ水素が再生可能エネルギーとして注目されているのか?
温暖化対策として「脱炭素化」への取り組みが加速する中、電気を作ってもCO2を排出しない次世代のエネルギーとして水素が期待されています。
そこで今回は、なぜ水素が次世代のエネルギーとして注目されているのかご紹介したいと思います。
なぜ今、水素が注目されているのか
エネルギー資源として見た場合、水素には2つの特徴があります。
1.さまざまな資源からつくることができる
水素は、水を電気分解して取り出すことができるのはもちろん、石油や天然ガスなどの化石燃料、メタノールやエタノール、下水汚泥、廃プラスチックなど、さまざまな資源からつくることができます。
また、製鉄所や化学工場などでも、プロセスの中で副次的に水素が発生します。
2.エネルギーとして利用してもCO2を出さない
水素は、酸素と結びつけることで発電したり、燃焼させて熱エネルギーとして利用することができます。
その際、CO2を排出しません。
水素は日本にとって究極のエネルギー源となる可能性がある
まず、さまざまな資源からつくることができるということは、90%以上の一次エネルギーを海外から輸入する化石燃料に頼っている日本にとって、国内で水素エネルギーを大量に生産できるようになるということでもありますし、海外の未利用エネルギーや豊富な再生可能エネルギー(再エネ)などが利用できれば調達先を分散できます。
コストも下げられるかもしれません。
日本には「水」も豊富にあります。
「エネルギー安全保障」上、非常に役に立つことになります。
「エネルギー安全保障」とは
「エネルギー安全保障」とは、その国のエネルギーが安定的に、また低廉な価格で供給される状態を達成しようとする取り組みのことを言います。
そのための方法として
- エネルギー自給率を高める
自国内でエネルギーが賄えれば、国際情勢に変化があった場合においても、エネルギー供給が途絶するリスクは低下します。
- エネルギー輸入先の多様化を進める
エネルギーの輸入先に偏りがあると、国際情勢に変化があった場合、エネルギー供給が途絶するリスクが高まります。そのようなリスクを避けるため、輸入先の多様化を進める必要があります。
- エネルギー源多様化
特定のエネルギー源に依存しすぎていると、国際情勢の変化があった場合、エネルギー供給が途絶するリスクが高まります。そのようなリスクを避けるため、エネルギー源の多様化を進める必要があります。
- 供給途絶への対応力強化
十分な備蓄が用意されていれば、エネルギーの供給が絶えてもしばらくは対応できます。
これらの方法が考えられます。
次に、(化石燃料から水素をつくる時にはCO2が排出されますが)利用時にCO2を排出しないエネルギーとして、CO2削減など環境対策に役立てることができます。
そして最後に、日本は水素エネルギーに関連する高い技術を既にたくさん持っています。
そうした技術を海外展開することによって、日本の産業競争力の強化にも役立ち、国際社会への貢献ともなります。
このような理由から、水素エネルギーの利用・活用が期待されているのです。
最後に
今回のブログでは、なぜ水素が次世代のエネルギーとして注目されているのかご紹介しました。
最近では、水素自動車も多く見かけるようになりました。
今後もどのように取り入れて行くのか期待しています。
参照:経済産業省資源エネルギー庁「「水素エネルギー」は何がどのようにすごいのか?」