【溶接ヒューム測定】ヒュームコレクターケムトリくんの使用方法について
「溶接ヒューム」が神経障害等の健康被害を及ぼすおそれがあることが明らかになったため、特定化学物質障害予防規則の特定化学物質として規制対象になりました(2021年4月1日より施行されています)。
規制対象となったことにより溶接ヒューム測定を行う必要があり、結果が不合格だった場合、ヒュームコレクターなどを用いて濃度低減措置をする必要があります。
そこで今回は、ヒュームコレクターケムトリくんの使用方法についてご紹介したいと思います。
こちらのブログについては、YouTubeにて動画バージョンも公開していますので、「集じん機 ケムトリくん使用方法」もぜひご参考ください。
ヒュームコレクターケムトリくん
実際の溶接現場での使い方について
1.電源について
ケムトリくんは電源が100Vとなっており、一般的なコンセントから電源をとることができます。
スポット作業などで客先に出向いた場合や、社内を移動して溶接する場合も、普通のコードリールで使用することができます。
2.設置について
ケムトリくんの背面には吸引口が備え付けられています。
吸引口に吸引ホースを差し込んで使用します。
3.操作について
ケムトリくんには、
- フィルター交換時期をお知らせするランプ
- 電源ボタン
- 風量調整ダイヤル
以上、3つのスイッチが設けられています。
電源ボタンをONにし、風量調整ダイヤルを回すことで吸引することができます。
吸引の様子
当社には溶接設備がないため、粒子発生器を用いて擬似ヒュームを発生させています。
実際に使用する際は、溶接時に発生するシールドガスが機能できるようにかつ溶接不良が起きない程度を見極めて運用する必要があります。
4.吸い口の変更について
ケムトリくんには、吸引口が2つ設置されてます。
両方の吸引口に吸引ホースをつなげることで、2つ吸い口を設置でき、1個のケムトリくんで2つの作業台に使用することができます。
また、1作業台の左右に吸い口を持ってくることで、作業の度に吸い口を移動させる回数を少なくすることができます。
5.メンテナンスについて
ケムトリくんは、集じん機のため定期的にメンテナンスを行う必要があります。
ケムトリくんの内部には、プレフィルター(粒径が大きいものを捕集するフィルター)とメインフィルター(粒径が細かいヒュームを捕集するフィルター)が入っており、フィルターを交換することでメンテナンスを行うことができます。
プレフィルター
メインフィルター
メンテナンスの手順について
メンテナンスの際は、ケムトリくん上部にある2つの黒いダイヤルを回しカバーを外します。
カバーを外すと、中にプレフィルター、メインフィルターの順に設置してあり、交換時期が来たフィルターを新しいフィルターと交換します。
以上でメンテナンス終了です。
6.機動性について
ケムトリくんの本体重量は24kgとなっており、従来の集じん機(80~90kg)と比べても、軽量化されています。
力のある方なら、持ち上げることも可能です。
高さも67㎝と小型なため、社用車に乗せることや溶接作業を行っている台下の隙間に入れ込むこともでき、収納性に優れています。
また、本体下にキャスターがついているため溶接場所を移動する際も、簡単に動かすことができます。
7.吸引口について
ケムトリくんの吸引口は、非常に柔らかい素材でできた5mのホースと、フレキシブルホースという金属素材の1mのホースが組み合わさっています。
またマグネットが備え付けられており、ケムトリくん本体や金属製の作業台、製品に取り付けて作業を行うことができます。
最後に
今回のブログでは、ヒュームコレクターケムトリくんの使用方法についてご紹介しました。
当社は環境改善材料として集じん機の取り扱いもしております。
ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。