【コラム】なぜ水道水から亜硝酸態窒素が検出されたのか?
昨年の10月に水道水に関するショッキングな事故が起きました。
”群馬大学病院では、10月に「北病棟」で入院していた乳児の顔色が悪くなる症状が出て(メトヘモグロビン血症)、病院の水道水から基準値を12000倍以上に超える「亜硝酸態窒素」が検出され、この病棟での水道水の給水を停止”
この原因についてのちに「水道とつながっていた空調用の配管から金属の腐食を防止するための薬剤が混入していた」と発表されました。
※参考:朝日新聞デジタル「群馬大病院の水道水汚染 原因は空調用水の混入(2021年12月17日)」
そこで今回は、なぜ水道水から検出されたのか、現在公開されている内容から簡単にまとめてご紹介したいと思います。
検出された理由とは?
水道と空調用の2つの配管の間には、逆流を防ぐために「チャッキバルブ」と呼ばれる弁が取り付けられていましたが、劣化していたということです。
発見が遅れれば大惨事にもなりかねないひどい事故でした。
また同時期に、大阪大医学部付属病院の診療棟の一部エリアで、飲用水を流すべき蛇口120か所に、簡易処理しかしていない井戸水を流していたと発表されたというニュースもありました。
水道配管の接続ミスが原因で、病院完成から30年近くに渡り、水洗トイレに利用する想定だった簡易処理しただけの井戸水が病院利用者の飲み水や手洗いなどに使われていたとのことでした。
こちらは、たまたま井戸水の水質が良かったためか健康被害には至らなかったようです。
ところで水道法には、以下の重要な規定があります。
水道法施行令第5条(給水装置の構造及び材質の基準)
第5条 法第16条の規定による給水装置の構造及び材質は、次のとおりとする。
…第6号 当該給水装置以外の水管その他の設備に直接連結されていないこと。
※引用:前橋市「水道法施行令(抜粋)」
つまり逆止弁がついていても、前者のような構造は水道法では認められていないことになり、(後者は工事ミスなので論外)工事業者や水道技術管理者の責任が問われる問題だと思います。
この両者はおそらく「専用水道」と思われます。
専用水道においては水道法により、定期及び臨時に水質検査を行うことになっていますが結果が出るまでに一定時間がかかるため異常を感じたら、まず給水を停止することが重要です。
また建築物環境衛生法でも特定建築物における水質検査が義務付けられています。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回のブログでは、なぜ水道水から亜硝酸態窒素が検出されたのかご紹介しました。
当社では、建築物環境衛生に基づく飲料水水質検査を行っており、ご要望によっては急ぎの水質検査も行います。
※飲料水の水質検査についてはこちらのブログを参考にしてください
ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。