【江南市の工場系事業者】工場の騒音対策事例と音に合った対処について
当社では、騒音を発生させる工場などから、騒音を低減・防止するには、どのような騒音対策を行ったら良いかご相談をいただくことがあります。
騒音対策において、法で定められた基準をクリアするのは当然のことですが、工場や事業所内で作業をされている作業員に対して、労働環境の整備を行うことも大切です。
また、大きな音のする機械に囲まれて作業をするのは、難聴になるリスクは当然ありますが、心身ともに疲れたり障害が出るなどの深刻なケースもあります。
そこで今回は、工場の騒音対策の種類、音に合った効果的な方法についてご紹介したいと思います。
工場の騒音対策について
工場の騒音対策に対して一般的に行われる対策素材としては
- 防音壁・遮音壁
- 防音パネル
- 遮音シート
- 遮音カーテン
- 防音マット
- コルクマット
- 防音カーペット
- 防音材
- 防振ゴム
などがあります。
この中から一部を抜粋して、ご説明していきます。
各対策の内容について
防音壁・遮音壁
騒音を出している建物や部屋、道路や駐車場などから周囲の静寂性を確保するために設置される音圧を減衰させるための壁です。
空気中に伝わる音波の振動を熱エネルギーに変換させる事で音を減衰させたり、音を透過さないように跳ね返すことで遮音します。
一般的に価格が安価で、屋外などの過酷な環境下でも耐久性が高いのが特徴です。
本来なら騒音を発生させている工場や施設などの騒音自体を抑制するべきですが、それが困難な場合に用いられることが多い方法になります。
遮音シート
騒音を遮る防音効果のあるシートです。
騒音を発生させている工場や施設などの天井や床に張り付けて、外部に音が漏れるのを防ぐことができます。
軟質性のシートのため、折り曲げや切断といった加工が容易にできます。
防音マット
床に敷き詰めて階下への音漏れを防ぐためのもので、やわらかい衝撃を吸収することができるクッションで作られています。
床に伝わる衝撃を和らげることで、音の発生を防ぐものなので、人の会話やテレビの音などにはあまり効果が期待できません。
防音材
ウレタン素材で作られていることが多く、ウレタン内部の細かい空洞に音が通過する際音圧が低下するので防音効果があります。
折り曲げも容易でハサミで好きな形に切ることも簡単にできるので、工場では比較的小さ目な装置から発生する騒音を低減させるために、その周りを取り囲むように工作して設置することがあります。
防振ゴム
一般的にゴムやジェルでできています。
振動して音を発生させている機械の下に防振ゴムを置き、振動をゴムの弾性によって吸収します。
ゴム製品は時間経過による劣化により硬くなったりひびが入ったりして、効果が小さくなってしまうことが考えられるため、管理が大切です。
これらの消音方法は、パッシブ(受動的な)消音と呼ばれています。
パッシブ消音について
パッシブ消音は、波長が短く直進性がある高周波の音に対して効果的な消音方法です。
しかし、波長が長い低周波の音に対しては、吸音材の減衰効果が低く、また、反射板を回り込んで音が伝わるために効果を得にくいという欠点があります。
また、吸音材や反射板を設置できない開放的空間内に音源がある場合には利用することができません。
パッシブ消音では効果が得られにくい場合は、アクティブ(能動的な)消音という方法もあります。
アクティブ消音について
アクティブ消音とは、騒音に音を重ねて消す技術のことです。
原理としては、ある騒音の波形に、その騒音の波形と逆位相の波形を重ねることで、山と谷とを相殺して音を消す、つまり、波形の山(空気の密度が高い)と谷(空気の密度が低い)を重ね合わせると、空気の密度が均一化されて、音にならなくなるということです。
この方法は、低周波の音や開放的空間でも効果を得ることができます。
実用化されている方法としては,スピーカを用いて人工的に消音用の音を放射し,騒音と干渉させてそれを低減または消去する技術があります。
吸音材等を使用する従来のパッシブ消音技術と比べて、低周波音に対する大きい消音効果、煙突などの管における少ない圧力損失、あるいは装置のコンパクト性などで優れており、工場設備の騒音対策に適用例が報告されています。
最後に
今回のブログでは、工場の騒音対策方法についてご紹介しました。
パッシブ消音は、基礎的な対策であり従来から行わなれてきました。
それでも防げない騒音に対して、アクティブ消音という技術の活用も一つの選択肢となっています。
いずれにしても騒音対策をする際の目的や発揮させる効果、性質の違いによって、最良の方法を選ぶ必要があります。
ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。