【分析項目解説!】pH(水素イオン濃度指数)についてご説明!
鑑賞魚の飼育をされている方は、飼育水のpHを気にする方も多いと思います。
また、女性の方は肌のpHバランスを気にかけている方もいるでしょう。
しかし、化学に詳しくない方だと、pHとは一体なんなのか?どういった影響があるのかわかりにくいと思います。
そこで今回は、pHとはいったい何なのか、どういった規制があるのか詳しくご紹介したいと思います!
pH(水素イオン濃度指数)について
pH(水素イオン濃度指数)とは、水中の水素イオン濃度から計算される数値のことで「ピーエイチ」と読みます。
pHは水の酸性、アルカリ性の強さを表しており、水素イオン濃度が高いほど水の酸性が強くなり、逆に水素イオン濃度が低いほどアルカリ性が強くなります。
pHの数値は0~14の範囲で、7が酸性でもアルカリ性でもない中性になります。
7を境に、7より小さいと酸性で、数値が小さくなるほど酸性が強くなります。
逆に、7より大きいとアルカリ性で数値が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。
例として、身近なものをpH順に並べてみました。
pH表
次にpHの水質規制についてご説明します。
pHの水質規制について
鑑賞魚の飼育時には、魚に適したpHに管理しないと、体が傷ついたり、色が変わったり、死んでしまうことがあります。
自然環境でも同じことで、川や湖のpHはそこに住む生物に影響を及ぼします。
そのため、河川や湖などの公共用水域では、維持することが望ましい基準として環境基準が定められています。
河川の環境基準
河川の環境基準のうち、利用目的が水産生物用の場合には、pHは6.5~8.5と定められています。
※環境省:「生活環境の保全に関する環境基準(河川)」より引用
そして、水質汚濁防止法にも、海域以外の公共用水域に排出する場合には、pH5.8~8.6、海域に排出する場合には、pH5.0~9.0という水質基準があります。
下水道に排水する場合でも、下水道設備の損傷や浄化処理の妨害の原因となるため、pHは5~9(製造業、ガス供給業はpH5.8~8.6)という水質基準があります。
※小牧市:「事業場排水の水質規制」の4ページ目より引用(環境分析センターがある小牧市のものを例示しました)
これらの水質基準を守れていない場合には、作業工程、製造工程などを見直して、原材料の転換、排水量の削減、酸・アルカリ廃液の処理委託、中和装置の設置などの対策を行う必要があります。
最後に
今回のブログでは、pHについてご紹介しました。
pHについてご相談などがありましたら、お気軽にお問合せください!