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コラム
2020.08.07(金)

【コラム】令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋の有料化が始まりました

令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋の有料化が始まりました

令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋(レジ袋)の有料化が始まりました。

経済産業省の関連ページ(プラスチック製買物袋有料化2020年7月1日スタート)を見ると

「プラスチックは、非常に便利な素材です。
成形しやすく、軽くて丈夫で密閉性も高いため、製品の軽量化や食品ロスの削減など、あらゆる分野で私たちの生活に貢献しています。一方で、廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題もあります。私たちは、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があります。
このような状況を踏まえ、普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています。」

とあります。

そこで今回は、この有料化によって環境にどれくらい影響があるかご紹介したいと思います!

レジ袋について

現在のレジ袋は、石油から作られたポリエチレンという樹脂を原料としている場合がほとんどです。(ポリエチレンは炭素と水素だけでできた樹脂なので燃やしてもダイオキシンは発生しません)

1.レジ袋の消費量は?

日本で消費されるレジ袋は実に300億枚。

確かに削減はエコになりそうですが、レジ袋をゴミ袋として使っている方もいるのではないかと思います。

その場合、今後レジ袋がもらえなくなったら、スーパーなどでごみ袋用として別途購入することになると思います。

レジで受け取る枚数は減ったとしても、ポリ袋の削減という点ではあまり変化がないかもしれません。

2.資源の節約になる?

先ほど日本で消費されるレジ袋は実に300億枚と言いましたが、この枚数を原料の石油に換算すると年間50万キロリットルになるそうです。

日本の石油消費量は年間約2.4億キロリットルなので、このうちの50万キロリットルということは、レジ袋の石油使用量は、日本の石油消費量の0.2%に相当します。

枚数が多いように見えても石油の消費量から見るとほんの僅かです。

(参照:中央大学受賞論文「レジ袋削減は本当に必要か」)

3.海洋プラスチックゴミ問題は?

こちらについてはまず、環境省の「プラスチック資源循環戦略小委員会(第3回)」の資料をご覧ください。

これは、平成28年度全国10地点(稚内、根室、函館、遊佐、串本、国東、対馬、五島、種子島、奄美)で漂着ごみのモニタリング調査を実施した際の、プラスチック類の種類別割合を示したものです。

漂着ごみ(プラスチック類のみ)の種類別割合

漂着ゴミ

上記の通り、漂着ごみのプラスチック類のうちポリ袋の占める割合は、重量比で0.4%でした。

したがってポリ袋を減らしたところで、海洋プラスチックゴミの削減に大きく貢献するとは言えません。

割合から見て一番多い、漁網、ロープ等の対策も重要になります。

4.地球温暖化に影響は?

レジ袋の消費量の項目でも触れましたが、全レジ袋の使用量を化石燃料である石油換算して年間50万キロリットル、日本の石油消費量の0.2%でした。

小さなことの積み上げも必要ですが、もっと大きな対策をしなければ効果は少ないかもしれません。

最後に

いかがだったでしょうか?

今回のブログでは、レジ袋の有料化によって環境にどれくらい影響があるかご紹介しました。

上記のように、経済産業省が目的として掲げた資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化問題に関して、数字上ではレジ袋の節約は直接的な影響は少ないです。

しかし、これらの課題は我々が将来に向けて絶対に向き合わなければならない課題でもありますので、経済産業省がもうひとつ目的として掲げた「レジ袋問題をきっかけに、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすること」が達成されるよう、一人一人が意識をしっかりと持たなければならないと思います。

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