【海水浴場の水質調査】とは?検査項目と水質判定基準について
海水浴場といえば「海水浴場の水質ランキング」というニュースをご覧になったことはありますか?
このランクは、地方公共団体が毎年海水浴場を開設する前に、ふん便性大腸菌、油膜の有無、透明度、CODといった項目について検査をし、その検査結果から「AA」や「A」などランク付けを行うといったものです。
愛知県では、22か所の海水浴場で水質検査が行われ、すべての海水浴場の水質が良好とされました。
参照:愛知県「令和2年度海水浴場水質検査の結果について」
そもそも海水浴場の水質調査とはどんなものなのか、なぜ水質検査結果を元に海水浴場の水質が良好とされるのか、環境に詳しくない方にとってはわかりにくいと思います。
そこで今回は、海水浴場の水質検査についてご紹介したいと思います!
海水浴場の水質検査項目について
海水浴場の水質は4つの基準からランク付けをしています。
水質判定基準表
次にそれぞれの検査項目、令和2年度の愛知県内海水浴場の水質検査結果について説明します。
1.ふん便性大腸菌群数
人や動物のふん便による汚染の指標となるものです。
今回の調査では、半数以上の海水浴場が不検出で、最も多い海水浴場でも105個/100mL程度でした。
2.油膜
油が水面に浮いて膜を張っている状態です。
今回の調査では、すべての海水浴場で油膜は認められませんでした。
3.COD
有機物による汚染の指標です。
今回の調査では、CODの値が基準値である2mg/Lを超えてしまったため、AAまたはAを逃した海水浴場が多くありました。
4.透明度
きれいな水ほど透き通って視界がよくなります。
透明度とは、白い板を沈めたときに板が見えなくなる深さのことです。
今回の調査では、すべての海水浴場で1m以上沈めても板を見ることができました。
水質ランクについて
水質は
- AA(適…水質が特に良好な海水浴場)
- A(適…水質が良好な海水浴場)
- B(可)
- C(可)
- 不適
の5段階でランク付けされます。
愛知県では、AAの海水浴場は5か所、Aが3か所、Bが14か所でしたので、すべての海水浴場が良好という評価を得たことになります。
ではなぜ良好なのでしょうか?
すべての海水浴場で良好な理由とは?
海水浴場の水質が良好に保たれている理由としては、排水処理対策や生活排水対策が進んでいる他に、水質総量削減制度も理由の一つとしてあります。
水質総量削減制度について
海水浴場のある伊勢湾、三河湾は、周囲を陸地に囲まれ外海との水の入れ替わりが起こりにくい閉鎖性海域となっています。
また、沿岸部には産業が集中し、工場排水が大量に流入することによる水質汚濁が起こりやすくなっています。
水質総量削減制度は、そのような閉鎖性海域の水質汚濁を防止するための制度です。
伊勢湾、三河湾に工場排水が流入する愛知県、岐阜県、三重県のほぼ全域が指定地域となっており、COD、窒素含有量、リン含有量の総量規制基準が定められています。
最後に
今回のブログでは、海水浴場の水質検査についてご紹介しました!
水質についてご相談などがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!