【コラム】「クリーンコールテクノロジー」とは?
「クリーンコールテクノロジー(Clean Coal Technology)」という言葉をご存じでしょうか。
以前のブログでは、石炭火力発電は何が問題なのかについてご紹介しましたが、日本は石炭火力発電の利点を生かしながら問題点をクリーンコールテクノロジーという技術で克服しようとしています。
※石炭火力発電についてはこちらのブログを参考にしていください
そこで今回は、「クリーンコールテクノロジー」についてご紹介したいと思います!
「クリーンコールテクノロジー」ついて説明する前に、まず石炭火力発電の主な利点・問題点についてご説明します。
石炭火力発電の主な利点・問題点とは?
石炭火力発電の主な利点として
- 燃料代が安いので発電コスト全体が安く済む
- 資源の量が豊富で可採年数が約150年と長い
- 産地が世界に点在しているため、調達が安定的に可能
- 発電量をコントロールできる
があげられます。
現状、日本では再生可能エネルギー(太陽光、風力など)は価格が高く、発電量の不安定さをコントロールすることが難しい状態にあります。
そうした中で、安定供給が可能なエネルギー資源に乏しい日本は、上記にあげた特徴をもつ石炭を、一定程度活用していくことが必要とされています。
次に、石炭火力発電の主な問題点として
- 1kWh当りの二酸化炭素排出量が大きい
- 燃焼により大気汚染物質(特に微小粒子物質など)を多く放出する
- 大量に発生する灰の処分が必要となる
があげられます。
こういった問題点を克服し、石炭を高効率に、かつ環境負荷を最小に利用することを目的として開発が進められている石炭利用技術のことを「クリーンコールテクノロジー(CCT)」と呼ばれています。
一言で「クリーンコールテクノロジー」といっても分野は多岐にわたります。
「クリーンコールテクノロジー」の分野について
- 石炭前処理(選炭、乾燥、改質)技術
- 効率化(微粉炭火力、石炭ガス化)技術
- CO2分離・回収技術
- 排気ガスの脱粉じん、硫黄酸化物除去、窒素酸化物除去技術
- 再生エネルギーの利用(バイオマス燃料との混焼など)
- 未燃分(灰など)を低減させる技術
最後に
いかがだったでしょうか?
今回のブログでは、クリーンコールテクノロジーについてご紹介しました。
石炭火力発電は日本だけでなく、発展途上国ではまだまだ主要な発電方法となっています。
日本が開発した技術が世界で利用され、地球温暖化問題や地球環境の保全に役立てる日がくることを願っています。