【有機溶剤測定】特定悪臭物質の測定方法が改正されています!
特定悪臭物質の測定方法は「特定悪臭物質の測定の方法(昭和47年5月環境庁告示第9号)」に定められています。
参考:環境省「特定悪臭物質の測定の方法」
令和2年1月23日に特定悪臭物質のうち、イソブタノール、酢酸エチルといった6種類の有機溶剤の測定方法が改正され、令和2年2月1日から施行されています。
そこで今回は、有機溶剤の測定方法の改正点についてご紹介したいと思います!
改正の趣旨について
特定悪臭物質のうち
- イソブタノール
- 酢酸エチル
- メチルイソブチルケトン
- トルエン
- スチレン
- キシレン
以上、6物質について、測定が可能な分析手法を新たに追加するため、所要の改正を行うものです。
主な改正内容について
1.イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン及びキシレンの5物質について、敷地境界線における濃度の測定方法及び気体排出口における流量の測定方法として(活性炭吸着溶媒脱着)ガスクロマトグラフ法を新たに追加
2.イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン及びキシレンの6物質について、敷地境界線における濃度の測定方法及び気体排出口における流量の測定方法として(活性炭吸着溶媒脱着)ガスクロマトグラフ質量分析法を新たに追加
次に、有機溶剤の方法についてご説明します。
元からある有機溶剤の測定方法について
1.低温濃縮(加熱脱着ガスクロマトグラフ)法
試料採取袋に採取した試料を、液体酸素(-183℃)で冷却した試料濃縮管に通し、有機溶剤を低温濃縮します。
ガスクロマトグラフ(GC)に試料濃縮管を接続し、試料濃縮管を加熱して有機溶剤をガスクロマトグラフに導入し分析する方法です。
※ガスクロマトグラフについてはこちらのブログを参考にしてください
試料の濃縮
ガスクロマトグラフ分析装置
2.常温吸着(加熱脱着ガスクロマトグラフ)法
試料採取袋に採取した試料を、吸着材を充てんした試料捕集管に通し、有機溶剤を吸着捕集します。
ガスクロマトグラフに試料捕集管を接続し、試料捕集管を加熱して有機溶剤をガスクロマトグラフに導入し分析する方法です。
試料の捕集
ガスクロマトグラフ分析装置
追加された有機溶剤の測定方法について
1.(活性炭吸着溶媒抽出)ガスクロマトグラフ法
今回、改正により追加された方法で、試料採取袋に採取した試料を、活性炭を充てんした試料捕集管に通し、有機溶剤を吸着捕集します。
試料捕集管から活性炭を取り出し、これに脱着溶剤を加えて有機溶剤を回収します。
この溶液をガスクロマトグラフに注入し分析する方法です。
2.(活性炭吸着溶媒抽出)ガスクロマトグラフ質量分析法
今回、改正により追加された方法で、試料採取袋に採取した試料を、活性炭を充てんした試料捕集管に通し、有機溶剤を吸着捕集します。
試料捕集管から活性炭を取り出し、これに脱着溶剤を加えて有機溶剤を回収します。
この溶液をガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)に注入し分析する方法です。
試料の脱着から分析
各有機溶剤の測定方法一覧
各有機溶剤に対する測定方法をまとめますと以下のようになります。
改正点の要点
- 悪臭有機溶剤項目の採取方法に、活性炭吸着法が認められた
- 悪臭有機溶剤項目の分析方法に(活性炭吸着溶媒抽出)ガスクロマトグラフ質量分析法が認められた
最後に
今回のブログでは、有機溶剤の測定方法の改正点についてご紹介しました!
当社は、今回追加された方法も含めて、特定悪臭物質22項目の測定や臭気指数による測定も行っています。
悪臭苦情でお困りの方は、お気軽にご相談ください!