【コラム】「次亜塩素酸水」の使いやすさとは?
緊急事態宣言は取り下げられたもののまだまだ油断できない新型コロナウイルス感染症。
消毒用として非常に有用なエタノール溶液が不足していた時期がありましたが、その時注目されたのが「次亜塩素酸水」(酸性電解水)です。
当初、その有効性について疑問視されていましたが、最近(2020年6月)NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)がその有効性を確認し、コロナウイルスに対する使用方法が公表されました。
その発表によると、一定濃度の「次亜塩素酸水」が新型コロナウイルスの感染力を一定程度減弱させることが確認されています。
その使用方法や、注意点については厚生労働省の特設ページ「新型コロナウイルスの消毒、除菌方法について」をご参考にしてください。
そこで今回は、次亜塩素酸水の使いやすさについてご紹介したいと思います!
※「次亜塩素酸水」についてはこちらの記事をご参考にしてください
なぜ今「次亜塩素酸水」が注目されているのか
なぜ昔から使用され実績のある「次亜塩素酸ナトリウム溶液」ではなく、「次亜塩素酸水」が注目されるようになったかというと、まず「次亜塩素酸水」のほうが「次亜塩素酸ナトリウム溶液」よりも、同じ塩素濃度なら80倍ほど殺菌効果が高いということがあります。
またそれに加えて、次亜塩素酸水にはいろいろと使い勝手の良さがあったからです。
「次亜塩素酸ナトリウム溶液」の注意点と、「次亜塩素酸水」の使いやすさとは?
まず「次亜塩素酸ナトリウム溶液」の注意点として
- pHが強アルカリ性であるためタンパク質を溶かす作用が大きく、高濃度の液が目に入ると失明してしまうほどであること
- 低濃度でもすぐに手荒れなどを起こしてしまうこと
- 間違って酸性の洗剤と混ぜてしまったとき塩素ガスが発生し、大変危険であること
- 油やカビなどの汚れと反応すると強烈な刺激臭が発生すること
- 多くの場合、希釈して使用する必要があること
などが挙げられます。
一方、「次亜塩素酸水」はこれらの欠点をカバーする特徴を持っています。
- pHが弱酸性〜中性で人体への影響が非常に少ないこと
- 分解されやすく残留性が少ないこと
- 次亜塩素酸イオン(ClO⁻)の80倍ほどの殺菌力があるとされ、低濃度で効果が期待できる。そのため酸性になっても塩素ガスの発生が非常に少ないこと
- 原液のまま使用できること
しかし利点は欠点でもあります。
次亜塩素酸水は非常に不安定であり(分解して水と塩酸になります)、保存状態次第では時間と共に急速に効果が無くなります。
食品工場などで使用する場合は必ずその有効塩素濃度を測定してから使用することとされています。
そのため、冷暗所に保存するなど保存状態に気を付けることと、早めに使い切ることが大切です。
また、低濃度で使用するため、除菌対象物が汚れてしまっていると次亜塩素酸水が汚れと反応して簡単に除菌力がなくなってしまいますので、先に汚れを落としてから使用する必要があります。
また、次亜塩素酸水は対象物の全体にかかるようにたっぷり使用する必要もあります。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回のブログでは、次亜塩素酸水の使いやすさについてご紹介しました。
次亜塩素酸水の良いところも悪いところも、理解した上で使用していきましょう!